【お金とモチベーションの科学】高い給料で仕事のやる気は引き出せるのか

お金とやる気の心理学ずっと上げる
こんな方におすすめ

・「お金で人は動かせる」と思っている方

・お金とやる気の関係性について詳しく知りたい方

・人を指揮する仕事をしている方

お金やご褒美をあげれば、人間はやる気を出すものだと一般的に考えられています。しかしそれは正しいのでしょうか?

今日はお金とモチベーションの関係について、詳しく解説します。実はお金を与えるだけでは、やる気は上げられないのです。

「お金でモチベを上げられる」と考えていたら、いろいろな罠にハマってしまいます。特に他人を指揮する仕事をしている方は、この罠にはまりがちです。

「他人のやる気を引き出したい」という方には、役立つ内容になっています。

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ご褒美は内発的動機づけをなくす

子供の時に、「家事を手伝ったら、お小遣いあげる」と親に言われた方もいるかもしれません。この時に親は、「お手伝いの回数が増える」と考えるはずです。

しかしこの考え方には落とし穴があります。それは子供が報酬に依存することです。一度お小遣いをもらうようになると、子供は報酬なしで手伝いをしなくなります。

今まで親のために手伝っていた子供が、「報酬のために手伝う」と動機を変えてしまうのです。

そこで実際の研究を紹介します。自由時間に絵を描いて過ごす幼稚園児を3グループに分け、実験をしました。

1つ目は賞状を貰えるのがわかっているグループです。このグループには事前に、「絵を描いたら、この賞状をあげる」と伝えました。

2つ目は賞を貰えることを知らないグループです。このグループには絵を描き終えた時に、サプライズで賞を渡しました。

そして3つ目は何ももらえないグループです。このグループには「絵を描きたいかどうか」を訊いただけで、賞は与えませんでした。

それから2週間後、幼稚園児は絵を描くかどうかを観察したのです。すると1つ目のグループ以外は、実験前と同じくらい夢中で絵を描きました。

しかし賞状をもらえるのが分かっていたグループは、絵を描く時間がとても少なくなっていたのです。つまりご褒美を貰える時のみにしか、絵を描かなくなりました。

このように「○○をすれば1万円」などといった具体的な報酬は、内発的な動機付けをなくしてしまいます。

例えば趣味で読書をしていた方が、本1冊読むと1000円貰えると告げられます。すると1000円貰えなくなった時に、今まで熱中していた読書をやめてしまうのです。

これは仕事や趣味、子育てにも該当します。交換条件付きの報酬を与えるには、注意が必要です。

高い報酬が逆効果になる場合

「お金を貰えれば、何でもできる」という方いるかもしれません。しかし高すぎる報酬は、パフォーマンスを低下させることが研究で判明しています。

行動経済学者のダン・アリエリーはインドで報酬の額と、ゲームのパフォーマンスがどのように関係するかを検証しました。

ゲームはつめこみパズルや数字記憶など6種類あり、運動神経や集中力、創造力が必要なものです。

被験者に6種類ゲームをやってもらい、1つクリアするごとに報酬を渡しました。渡す報酬は挑戦する人によって種類が異なります。

1つ目は低額グループ。このグループは1つクリアするごとに4ルピー、最大で24ルピー(※約1日分の賃金)もらえます。

2つ目は普通グループです。このグループは1つクリアするごとに40ルピー、最大で240ルピー(※約2週間分の賃金)が貰えます。

3つ目は高額グループです。このグループは1つクリアするごとに400ルピー、なんと最大で2400ルピー(※約5か月分の賃金)が貰えます。

すると驚くような結果が出ました。一番高い報酬を貰えるグループの成績は、一番低かったのです。つまり高すぎる報酬は逆効果になる恐れがあります。

これはお金に目がくらみ、集中できなくなるのが原因です。ゲームをしている間に「大金貰ったら何をしよう?」と邪念が湧いてしまうのです。

さらにプレッシャーもかかります。考えすぎたり、力が入りすぎたりして、通常通りのパフォーマンスができなくなるのです。

要するに「大金を与えれば、どうにかなるだろう」と考えるのは危険です。高すぎる報酬はプレッシャーや邪念によって、パフォーマンスが低下してしまいます。

お金がモチベーションになる場合

ここまではお金では、モチベーションが上がらないことについて解説しました。しかしお金がやる気を育む場合もあります。

それは誰もやりたがらないような、単純作業です。単純労働は高いお金を上げるだけでも、十分にやる気を引き出せます。

ただしいくつかの注意点があります。まずは参加者のやり方を尊重することです。やり方まで縛ると、モチベーションを損ねてしまいます。

次はその作業の必要性を説明することです。何のためになるか分からない作業は、意欲がわきません。「なぜその単純作業をすべきか?」をしっかり説明しましょう。

サプライズ要素

同様に作業が終わった直後にサプライズ的にお金をあげるのも、内発的動機づけを損ないません。

前述の幼稚園児を対象にした実験で、予告なしに賞状を貰った園児は絵を描く意欲を失っていませんでした。

よって「今日は頑張ったからボーナスあげる」と伝えれば、社員のモチベーションは高まります。

お金とやる気の関係性

お金とモチベーション

・お金やご褒美は内発的動機づけをなくす

・高すぎる報酬はパフォーマンスを下げる可能性がある

・「お金で人は動かせる」と安易に考えてはいけない

お金があればやる気を引き出せる」という考え方は間違いです。人間をやる気はお金によって簡単に出せるものではありません。

どれだけ高い給料をもらっても、働く目的を見出せなければ、仕事のやる気は上がらないのです。他人や自分のやる気を上げるには、あらゆる工夫が必要です。

その工夫の方法を知りたい人は、ぜひこちらの記事を読んでみてください。モチベーションを上げる要素を心理学的に解説しています。

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参考文献

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