【適応の心理学】~なぜ高級品を買っても幸せになれないのか?~

適応の心理学役立つ心理学

私たちはどんな環境に置かれてもある程度順応することができます。突然右足が無くなっても1年後にはそれに慣れるのです。一方で高級車を買っても、時間が経つと慣れてしまいます。

そこで、今日は順応について詳しく解説します。これを読むことで痛みや不幸に早く適応させ、ダメージの大きさを和らげられるのです。また、喜びに適応するのを遅くすることで、幸せな時間を長く味わえます。興味のある方はぜひご覧ください。

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快楽の順応

お金では幸せを買えない

私たちは快楽に順応します。宝くじで大金が当たり、豪邸を買っても、住み始めた時にしか幸福を感じないのです。

心理学者のアンドリュー・クラークの研究によると、イギリス人労働者の給料に対する満足度は、金額自体ではなく、給料の変化と強く相関することが立証されました。このように私たちは幸福に慣れるのです。

しかし幸せに適応することを私たちは注目しません。例えば、「もし明日1億円をもらったら、1年後はどうなっているのか」を考えてください。多くの人は満足していると答えるはずです。しかし実際はそうでありません。

快楽に適応したり、資産運用で大きな損をしたりなど、ネガティブな側面を考えないのです。よって私たちは未来を想像する際に適応することを注目しなくなります。

これは恋愛にも起きがちです。可愛い子やイケメンな子を恋人にしてもその顔に慣れてしまいます。付き合った当初は嬉しいかもしれないですが、時間が経つにつれてその喜びは減少します。長期的な恋愛には相手の内面が重要なのです。恋人を顔だけで選ぶと短期間で終わってしまいます。

順応の活かし方

私たちは適応の機能をどう生かしていけばいいでしょうか。この章では適応の活かし方を詳しく解説します。

ネガティブなもの

騒音と不快度の実験

ネガティブなものに順応したい場合は一気に終わらせるのが効果的です。中断が不愉快な体験にどれだけ影響するかを調査した実験があります。

被験者を3グループに分け、大きな騒音を聞かせました。1つ目は5秒間だけ音を流すグループ。2つ目は40秒間ずっと音を流したグループ。3つ目は最後の5秒前に中断を挟んだグループです。

そして、最後の5秒間どれだけ不快だったのかを評価させました。すると5秒間だけ音を流したグループが一番不快と評価したのです。また、ずっと音を流したグループは不快度が最も低い結果になりました。つまりネガティブなものに慣れるには、一気に取り組んだ方がダメージは少ないのです。

ガムテープをすねに貼って剥がすという罰ゲームがあります。あれは休憩を挟まずに剥がした方が痛みは抑えられるのです。

ポジティブなもの

マッサージと中断の満足度の実験

快楽をじっくり味わう際には中断をはさんだ方が喜びを大きく感じられます。快感は一気に味わいたいという方もいますが、これは間違っているのです。ポジティブな体験の中断と満足度に関する研究を紹介します。

被験者を2グループに分け、気持ちのいい3分間のマッサージを受けてもらいました。一つは3分間のマッサージを中断なくしてもらうグループ。もう一つは20秒の中断を間に挟み、マッサージ時間も160秒になるというグループです。その後いくら払っていいのかを被験者に尋ねました。

一見すると中断のないほうがマッサージの合計時間も長いため、払ってよい金額が高いような気がします。しかし中断ありグループが支払うと答えた金額は中断なしグループの2倍だったのです。つまり楽しい経験は中断があった方が喜びは増します。

意外かもしれないですが、TVやYoutubeのCMはあった方が満足度は高くなるのです。美味しいものを食べる際や楽しいことをする際には中断をはさむとより楽しみが増えるかもしれません。また家具などを買い揃える際は一気にするのではなく、徐々に買い揃えることで高い満足度を長期的に味わうことができます。

適応できない場面

私たちには適応できない状況もあります。それは、より優れているものが近くにある時です。例えば高級住宅街にある古い家に住むとします。この時に古い家に慣れるのは困難です。なぜなら新しい家と常に見比べることができるからです。

私たちは相対的に物事を評価します。そのため新しい家を常に見ることで自分の家が常にぼろく感じるのです。ほかにも会社や学校で自分だけ古いPCを使っていても適応することができません。

優れたPCと比較するため、自分が古いパソコンを使っている時にイライラやストレスを感じます。このように優れたものが近くにあると適応できないことがあるのです。

オススメ本

私たちは感情予測が苦手です。無意識による影響で、宝くじに当たっても1年後も幸せでいると判断します。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。この本は人間の感情予測について詳しく解説されています。

「来月の誘いに喜んで答えたけど、その日になったら行く気が失せた」という経験をしたことがある場合は必見の本です。興味のある方はクリックして、買い求めください。

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まとめ

不幸や幸福には適応します。悪いことは思ったより悪くなく、よいことも思ったよりよくないのです。ネガティブな経験は一気に終わらせた方が効率的です。一方でポジティブな体験は中断を挟むと満足度が高くなるのです。今日も最後までご覧いただきありがとうございました。

参考文献(論文,書籍)

Clark, Andrew E. “Are wages habit-forming? Evidence from micro data.” Journal of Economic Behavior & Organization 39.2 (1999): 179-200.

Nelson, Leif D., and Tom Meyvis. “Interrupted consumption: Disrupting adaptation to hedonic experiences.” Journal of Marketing Research 45.6 (2008): 654-664.

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